三重大学

研究者紹介

研究者紹介

Researcher

生物資源学研究科
生物圏生命科学専攻

村山 夏紀Murayama Natsuki

村山 夏紀
研究テーマResearch theme
日本周辺に生息しているカマイルカを対象に野外調査に基づく研究を行っています.本種は季節に合わせて日本沿岸を回遊しており,その移動生態と海域利用の解明を目指しています.
研究内容の概要Overview
北太平洋に生息する小型鯨類のカマイルカは日本沿岸にも生息し,季節に合わせて南北方向の回遊を行うとされています.国内ではウォッチングツアーが行われ,水族館でも多く飼育されるなど馴染みの深いイルカである一方,詳細な回遊経路や生活史にはまだ多くの不明点があります.カマイルカがいつ・どこで・何をしているのかに興味を持ち,乗船調査に基づく研究を行っています.メインの研究拠点は青森県の陸奥湾で,カメラやドローンを使用して群れごとのイルカの性別や体長の推定を行い,行動観察も実施しています.移動生態の解明のためには複数地点間での比較や長期的な広範囲でのモニタリングが必要と考え,調査範囲を拡大するため,各地の関係者と連携しながら情報収集や調査に向けた体制作りにも取り組んでいます.
研究成果をどのように社会に役立てるか
(還元の構想)Giving back to society
1年の中で大規模な移動を行う小型鯨類の研究は少なく,本研究は鯨類だけでなく,海洋生物の回遊生態の理解に大きく貢献できると考えています.カマイルカは高次捕食者であり,環境や餌生物の変化に合わせて回遊していると考えられるため,継続的なモニタリングが可能となれば,変わりゆく海洋環境を把握するうえでの重要な指標生物となることが期待されます.そのような知見は水産業・観光・環境教育など,多様な分野に活用できる可能性があります.日本沿岸に広く生息する本種に注目することで,カマイルカを通して日本各地をつなぐような研究活動を展開していきたいと考えています.
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