研究者紹介
Researcher
工学研究科
システム工学専攻
三岩 功季Mitsuiwa Koki

- 研究テーマResearch theme
- 「腰部アシスト装置使用時の脊椎及び椎間板への影響の解明」
- 研究内容の概要Overview
- 近年、少子高齢化の進行により労働人口が減少し、高齢の現場作業者が増加しています。これに伴い、作業者の身体的負担が増大し、特に腰痛の発症が深刻な問題となっています。腰痛は作業効率を低下させるだけでなく、脊椎疾患を誘発する可能性もあります。その対策の一つとして、腰部アシスト装置による作業補助が注目されており、現在ではさまざまな研究機関で開発が盛んに進められ、筋疲労の軽減や作業効率の向上といった有効性が報告されています。
しかし、腰部アシスト装置の使用が脊椎や椎間板に与える影響についての研究は、まだ十分に行われていません。一般的に腰部アシスト装置は使用者の身体を支えるために、本来想定されていない力を身体に加えるため、脊椎や椎間板に余分な負荷をかける可能性が指摘されています。そのため、使用者は作業の負担軽減を実感する一方で、長期的には身体機能に悪影響を及ぼすことが懸念されています。 そこで本研究では、腰部アシスト装置の使用による身体への力の変化が、脊椎や椎間板に及ぼす影響やその危険性について明らかにします。具体的には、数値シミュレーションや椎体および椎間板への力学実験を通じて、腰部アシスト装置使用時の脊椎や椎間板の特性を解明していきます。本研究グループにて開発中のパッシブ型アシストスーツ
- 研究成果をどのように社会に役立てるか
(還元の構想)Giving back to society - 本研究では、腰部アシスト装置の設計および開発における科学的根拠に基づいたガイドラインの作成を目指しています。脊椎や椎間板の力学的特性を解明し、それに基づいた最適なアシスト機構や負荷分散の方法を提案します。これにより、作業者が腰部アシスト装置を長期間にわたり安全かつ快適に使用し、作業を継続できるようにします。さらに、装置の効果を最大化することで、作業者の身体的負担を軽減し、現場での生産性向上にも貢献します。