研究者紹介

Researcher

医学系研究科
生命医科学専攻

DENG XI

DENG XI
研究テーマResearch theme
新規マイクロRNA miR-511-3pがヘッジホッグ・シグナル伝達経路の異常活性化を引き起こす可能性の検討
研究内容の概要Overview
敗血症は感染症に起因した多臓器障害を起こす重篤な疾患であり、全世界での死亡者の20%を占め、三重県でも死因の上位にある地域でも重要な医学的・社会的問題であるが、その病態の包括的理解は不十分である。私が所属している分子病態学研究室では、敗血症誘導因子としての腸管上皮由来マイクロRNAの解析を一つの中心的研究テーマとしている。研究室の予備データより、新規マイクロRNAであるmiR-511-3pが敗血症誘導因子の候補として同定されたことを受けて、その妥当性と臨床応用にむけたトランスレーショナルな意義について研究する。まず細胞株とマウス敗血症モデルで、miR-511-3pの発現上昇、さらに、その有力な標的であるpatched 1(PTCH1)(細胞の増殖と分化を司るヘッジホッグ経路の抑制因子)の発現低下を確認する。次に敗血症モデルでmiR-511-3p がPTCH1を実際に標的とし、ヘッジホッグ経路を異常に活性化していることを示す。さらに、miR-511-3p 阻害剤とヘッジホッグ経路阻害剤を用いて、マウス敗血症モデルに対する予防効果と治療効果を検討する。
研究成果をどのように社会に役立てるか
(還元の構想)Giving back to society
本研究は現在治療法のない敗血症に対する新規治療標的を提案し、製薬会社との産学連携共同研究を通じてイノベーティブな創薬につなげることによって社会に役立てるのを目指す。
研究者一覧へ戻る