研究者紹介
Researcher
医学系研究科
生命医科学専攻
清水 陽嘉Shimizu Akiyoshi

- 研究テーマResearch theme
- ゼブラフィッシュを用いたタンパク尿疾患治療薬の探索
- 研究内容の概要Overview
- 腎臓はタンパク質を血中に保持したまま老廃物を濾過して排出しています.その機能の中心となっているのが糸球体ポドサイトと呼ばれる細胞です.このポドサイトが障害されるとタンパク尿が生じ,さらに症状が持続すると慢性腎不全へと進行してしまいます.現在,このポドサイト障害に対する有効な臨床治療薬は殆ど存在しないため,新規治療薬開発が急務となっています.そこで私は,ゼブラフィッシュを実験動物として用いてこのポドサイト障害を再現し,タンパク尿を改善する治療薬の探索と,その治療薬が効果を発揮するメカニズムを解析することを目的として研究しています.ゼブラフィッシュは小型(3-5 cm)の熱帯魚で,実験動物としての利点が多いことから近年脚光を浴びています.私の研究室では,このゼブラフィッシュを透明化し,体内の観察が容易であるミエコマチという品種を用いて研究を進めています.

- 研究成果をどのように社会に役立てるか
(還元の構想)Giving back to society - ポドサイト障害が進行すると慢性腎不全となり,更には人工透析が必要となってしまうリスクがあります.国内で透析を受けている患者は約35万人であり,その医療費は年間1兆6000億円にもなるなど,医療経済学的にも大きな負担となっています.そこで私は,タンパク尿を改善する治療薬の探索と,その作用メカニズムの解析を目的として研究を進めています.本研究の進展により,ヒトにおける新しい腎疾患治療薬の開発に貢献するものと期待でき,社会的意義があると考えております.