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- 2024.11.21
- SPRING「デジタルイノベーション講座Ⅱ」(第1回)を開催しました
2024年11月8日(金)16:30-18:00 環境・情報科学館3階において、16名の博士学生が参加し「デジタルイノベーション講座Ⅱ」(第1回)が開催されました。
今年度から始まった三重大学SPRINGでは、キャリア開発・育成コンテンツとして各種講座を開催しています。その中でも「デジタルイノベーション講座Ⅱ」では、デジタル技術を活用して社会課題の解決に取り組まれている実践者をゲストスピーカーとしてお招きしています。今回の講義では、株式会社アールティ代表取締役の中川友紀子様より、『未来をデザインする力:AIとロボット技術による社会課題への挑戦』というテーマでご講演をいただきました。
講義の冒頭、本講座代表である工学研究科の川中普晴教授から本講座のねらいやゲストスピーカのご紹介がありました。中川様との最初の出会いはアメリカの学会であったというエピソードや、2015年にシリコンバレーに拠点を置くROBOHUBにおいて「ロボット業界で知るべき世界の女性25人」に選出されたことなどが紹介されました。
中川様は、サービスロボットの開発・販売・研修を手掛ける会社として、2005年に株式会社アールティを創業されました。創業にあたっては、迫りくる人口減少・高齢化社会を見据え、自らの持つ技術をどういった分野であれば社会の発展に寄与できるのか、会社として成長できるのか、医療分野などを含め徹底的なマーケットリサーチをされたそうです。講演では、創業にあたって掲げられたミッション「Life with Robot ロボットのいるくらしを実現する」やビジョン「Work with Robot ロボットと働く未来をつくる」、さらにはミッションの具現化に向けて開発された食品工場向け人型ロボット「Foodly」等が紹介されました。
現在、我々の日常生活において様々なロボットが活躍していますが、その開発にはとても緻密な分析や想像できないほどの試行錯誤が行われています。もちろん「Foodly」も例外ではありません。中川様は、AIを用いたロボット開発の難しさや他社との違いなどについて動画を交えながらわかりやすくご説明いただくとともに、開発に係る壮絶な苦労話についてもいとも涼しげにご披露いただきました。また、以前より社会貢献としてAIとロボットに関わる人材育成にもご尽力されており、講演ではその一例としてマイクロマウス大会の模様も紹介いただきました。
質疑応答では、「投資先はどこがよいか」、「どのように投資先を募るのか」、「なぜ食品業界にしたのか」など、終了時間まで受講生から数多くの質問が寄せられ、活発な議論で盛り上がりました。
ご講演の後は、場所をレストラン「ぱせお」に移して交流会が開催されました。交流会では和やかな雰囲気のなか、講座中に質問できなかったことや具体的な内容について意見交換がなされ、起業家として実社会で活躍する先輩と交流できる大変貴重な機会となりました。中川様にはご多忙の中、三重大学SPRINGへご協力をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
次回の「デジタルイノベーション講座Ⅱ」は、令和7年1月28日(火)16時30分より、三重トヨペット株式会社取締役副社長の川喜田雅則様をお迎えして開催する予定です。
三重大学SPRINGでは、引き続き関連企業様のご協力をいただきながら、実践知と実社会に触れる博士人材の育成策を通じて、世界と日本の未来つくりに挑戦する人材育成に取り組んでいきます。