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2024.08.02
SPRING支援学生が「未来の博士フェス2024」に参加しました

2024710日(水)に一橋大学一橋講堂(東京都千代田区一ツ橋2-1-2)で開催された、「未来の博士フェス2024~博士と創る、博士が輝く社会へ~」にて、小西凌さん(地域イノベーション学研究科・D3)と齊藤 勇人さん(生物資源学研究科・D3)が、SPRING支援学生を代表してポスター発表を行いました。

   

小西さんの感想

 自身のポスター発表では、多くの学生、企業の方に足を止めていただき、発表を聞いてもらい、コメントをいただきました。ポスター発表は理系の発表が多数を占めていたため、社会科学系の自分の発表は、ある意味で目立ち、分析方法や結果について、多く言及いただきました。
 ポスター発表以外では、盛山文部科学大臣の基調講演をはじめ、パネルディスカッション(博士人材が多様なフィールドで活躍する社会の実現を目指して)を聞き、いくつか収穫を得られました。博士号取得者が、専門知識や研究成果が新しい分野や産業で、学問の枠を超えながら、企業のイノベーションや政策決定、社会的課題の解決に貢献している姿は、感銘を受けました。また、本イベントを通じて、博士人材が持つ、深い洞察力や問題解決能力が、社会でどれだけ価値のあるものであるかを改めて実感しました。
 また、冒頭から、博士号を2つ持つダブルディグリーに関する議論があったことは興味深く、自身初めて考えたことでした。留学や別大学での機会があれば、検討してみるのもよいと思いました。
 本事業の実施によって得られた成果は、文理を超えた博士学生間でネットワークを構築できたことにあると思います。医学、工学、化学など多くの博士人材とディスカッションしました。そして、言語学や発達を専門に研究する博士の皆さんの中には「一緒に何か研究できるかもしれない」と、研究を膨らませていただき、議論させていただきました。
 このイベントを通じて考えていたのが、「自分の研究はどのように社会に還元できるのか」です。企業に就職し、自身の研究を活かすことはもちろんのこと、博士学生のうちから実際に、事業を起こす学生もいました。彼らは、自身の研究を社会に実際に還元しています。
 私の研究の話になりますが、簡潔に言えば「教育格差の要因研究」です。「Aという要因で格差は拡大する」という表現を安易に使ってしまいますが、「じゃあどうすれば?」という視点が、机上の空論であると改めて思います。これまで、貧困家庭での学習ボランティアや、児童養護施設でのキャリア支援などおこなってきましたが、人材面でも資金面でも持続的でないし、教育格差を是正する根本的な解決にならないだろうと思います。きちんとビジネスとして持続的に社会に組み込んでいくためには、どのような要素が必要なのでしょうか。改めて、自身の研究は、社会にどのように貢献できるのか、考えさせられる結果となりました。博士号取得の折には、スモールステップにはなると思いますが、私の研究の知見が活かされるような事業を始めてみたいです。

齊藤さんの感想

博士課程に進学する学生を増やし、博士が活躍しやすい社会作りを目的に活動してくださる政治家の話を聞いて、博士課程学生の学生として、大変心強かったです。
 盛山氏は自身も博士号を取得しており、博士のことを理解する存在が文部科学省のトップで活躍している様を目の前にし、自身も社会に貢献できる人材になれるように精進しようと思いました。さらに、ダブルドクターであることにも衝撃を受け、勉強し続けることの大切さを再認識しました。また、今後さらにもう一つ博士号をとろうという意思を伺い、自身も努力し続けなければと強く思いました。
 有村氏は博士課程の雇用を積極的に企業に訴える活動をしていることを知り、大変ありがたい存在であると思うとともに、期待に応えられる人材になろうと強く思いました。
 これまで、自身の所属する学会で、同じ分野の学生と関わることは何度もありましたが、工学部や文系の学部などの学生と関わることはなく、今回の博士未来フェスへの参加は大変有意義な時間となりました。博士課程ながら起業している学生や政治家を目指している学生などもおり、それぞれのフィールドで努力している姿を見ることができ自身も研究に励むモチベーションとなりました。
 また、自身の研究を他分野の人に聞いていただき機会にもなり、自身では意識していなかった視点や指摘を受け視野を広げるいい機会となりました。

   

 発表者の二人以外にもSPRING支援学3名が参加し、今後の研究、学生生活を送る上でのよい刺激となったようです。

参加者の感想

・会場では、同じような研究をしている博士たちと知識と学問のぶつかり合いがあり、深い交流ができました。現状に焦点を当てて、私たちが直面した困難と、どのような良い解決策があったのかを共有しました。これは非常に有益でした。
 この活動には多くの企業も参加し、博士号取得のニーズを提示し、インターンシップに参加して良い仕事を提供するよう全員に呼びかけました。
 最後のセッションでは、何人かの先輩が博士課程での勉強や仕事での経験や経験を共有し、多くの示唆を与えてくれました。博士課程で学んだ知識をソーシャルワークにどのように応用できるか。就職に関しても色々とアドバイスを頂き、大変参考になりました。
 このイベントは、先輩たちの意見を聞くことで、博士課程での研究生活をより容易にし、キャリアの選択をより明確にすることができる、非常に有意義なイベントです。
 このような機会を提供していただいた大学の皆様、ご尽力いただきました皆様に感謝申し上げます。今後もこのような活動に参加していきます。

・博士課程学生に対する需要の高まりを実感できました。また、他分野の博士課程学生との研究トークが盛んにできる貴重な場であり、ポスター発表のため素人質問でも11で話すことができる楽しさがありました。ひとつ、興味深かった話では、同じSPRING制度でも他大学では違う取り組みがされていることを知ることができました。

・文部科学大臣盛山正仁氏の式の開会にあたっての挨拶では、日本の博士進学の現状と将来について言及がありました。特に、博士課程への進学者数が減少している現状を懸念し、未来の博士を増やすための取り組みの重要性が強調されていました。午後のポスターセッションでは、各大学の博士学生との交流の機会がありました。特に専門性のある学会とは違い、他の研究分野の学生との交流はあまり機会がなかったので非常に充実した時間を過ごすことができました。今年度博士課程に進学した私にとって、今後の研究活動における良い刺激となりました。来年や再来年、自分も機会があればぜひポスターセッションで発表したいと考えています。

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